75 名前: 職人見習い ◆fVKI4ilHCQ [sage] 投稿日: 2006/12/06(水) 02:05:48

姜維の最期 エピローグ

姜維「(ここは…どこだ?)」
張翼「(なんと、冥界がまことに存在するとでもいうのか…)」
廖化「(ふ、長きまぐわいの人生であったわ…)」

姜維「む…?そこにおるのは…おお、伯恭殿!!元倹殿!!」
張翼「おおっ! 大将軍殿、またお会いできて嬉しゅう御座る。」
廖化「左様。吾らは出自生年異なれど、死す時は同じであったとは。」
姜維「なんという慶事であることか。だが姦王朝は…」
張翼「……うむ。じゃがこれも天命、どうにもならぬ事であったろうて。」
廖化「悔しいことであるが…ところで、此処は一体…?」

三人を取り巻いていたのは尻のごとく美麗な桃の林であった。

姜維「もしかすると…ここは過日に先帝陛下が関公、張公と桃尻の誓いを交わした場所ではないか?」
張翼「おお、この男の尻のごとき桃林…それに違いない。」
廖化「どうじゃ、吾らは共に戦い、共に死んだ仲。少し遅いやもしれぬが、先帝陛下らに倣おうではないか。」
姜維「名案じゃ、しからばいざまぐわわんッ!!!」

『ふんっ!ふんふんっ!!』

どれぐらいまぐわったであろうか。
蒼き天はすがすがしく衝き抜け、あたかも彼らの一生に祝福を送っているかのようであった。
帝国の最後を彩る名将達は初めて公を抜きに肌と肌で触れ合い、ともに祖国に想いを馳せた。
確かに劉備の興した姦帝国は滅亡したが、国に殉じた英霊の魂が滅びることは決してないだろう。