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931 名前: 職人見習い ◆fVKI4ilHCQ [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 01:11:45

姜維の最期 第肆話 今こそ勃つべし 1
ケ艾は司馬昭に尻を掘られることだけは免れた。
なぜなら、彼に掘られたことで恨みを抱き、復讐を狙っていた悪臣・田続に堀り殺されたからである。
一方、鐘会と姜維は戦々恐々としていた。司馬昭が叛乱の計画を想定していることが発覚したからである。

鐘会「ううむ。司馬公め、仲達殿の子息というだけのことはある…。なんという痴謀であることか。」
姜維「何をお迷いになるのですッ。ここで一挙に勃たねば、韓信の二の轍を踏みますぞ!」
----「それとも、今すぐに俗世を捨てて仙人になりまするか?」
鐘会「馬鹿なッ。予は鐘士季ぞ。まだ竿も疼くというに、禁欲生活に入るなどありえぬ!」
姜維「(ふん、馬鹿は貴様だ。このワシの掌の上で転がりよる…。)」
----「(決起は早いほうがいい。大軍をもってこの益州を独立させればいくら司馬昭でも手も竿も出まい。)」
----「(陛下、丞相、張翼殿、廖化殿、あと少しで姦王朝は復興できますッ。…もう少しなのです!)」

姜維はもとより早熟な人間であった。潜在的に高い能力を持ってはいるものの、自信過剰で青いところがある。
そういった才子は大概、重要な局面で大きなミスを犯すのである。
「三つ子の魂百まで」の言葉の通り、すでに還暦を迎えた今もその悪癖を出してしまった。
鐘会を操れることと、鐘会の配下の兵士を操れることを同一視してしまったのである。

姜維「これを見よッ。」
魏臣「……………!!」
姜維「これは皇太后さまが鐘将軍を見込んで託された密命である!!」
----「いま、魏朝は司馬氏の専横で当に滅びんとしている!!」
----「司馬昭は日夜朝廷の高官を掘って篭絡し、皇帝陛下はその竿を天下に示すことも出来ないのだ!!」
----「諸君、これを看過してよいものか!命に従い、鼠賊司馬昭を討たずに男といえるか!!」
魏臣「(…フン、よくも嘘八百を並べられるものだ。)」
魏臣「(野心が見え透いておるわ、この小僧め…。)」

いま、彼の計画は足元から崩れようとしていた・・・。

│932 名前: 職人見習い ◆fVKI4ilHCQ [sage] 投稿日: 2006/11/23(木) 01:44:48

姜維の最期 第肆話 今こそ勃つべし 2

姜維「どうした諸将!ここで名乗りを挙げれば司馬氏の尻は掘り放題ぞ!」
----「幼子から老爺に至るまで、司馬とつく者の尻は諸君のものであるぞ!」
魏臣「……………。」
鐘会「(は、伯約…。諸将は従わぬ。どうすればよいのか…。)」
姜維「(かくなる上は諸将を掘ってその兵を奪い、さっさと独立することです。)」
----「(もはや一刻の猶予も御座いませぬ…。)」
鐘会「…この逆賊どもが!皇太后陛下の命に従わぬとは、不敬である!」
----「明日の朝一人ずつその尻を粉砕してやるゆえ、覚悟いたせ!」

こうして鐘会と姜維は魏の諸将を獄に下した。
だが、このような挙に出てもすでに事態の悪化は拭いようもないものであった。
一方、蜀のもう一人の名将・張翼は一人屋敷で憂慮していた。

張翼「…姜大将軍、貴方の目論見、上手くいくはずがあるまい…。」
----「鐘会に独立を促し、それが上手くいけば鐘会を殺して陛下をお迎えするという策なのだろうが…。」
----「第一、鐘会のような若造が叛乱を起こしても兵はついてくるまい。」
----「大将軍、貴公の考えはいつも目先の尻のみに目を奪われ、大局を見失っている。このままでは…!!」

(ワァァ、ワァァ…)

ふと、市街地に鬨の声が沸き起こった。
魏兵が獄に下されていた諸将を救出し、性都駐屯軍の全てが打倒鐘会・姜維のために勃ちあがったのである。

張翼「将軍ーーーッ」

蜀を支えた最後の名将達の最後が、着実に近づいていた。