413 名前: sileepknot ◆r4HwcKQwNE [sage] 投稿日: 2006/08/06(日) 16:21:00

魏公就任、ダメ、絶対。
「我が子房(漢の高祖・劉邦に使えた名宰相)」とまで呼ばれた荀ケ、字は文若は
一人病気療養のため部屋にいた。表情は苦悶。齢五十の顔はおよそ
この世のすべての辛酸を味わい尽くしたかのように、やつれていた。

荀ケ:確かに殿は偉大だ。だが、その殿の力が肥大しすぎて
   大本の国となる漢王朝略して浣腸をないがしろにして良いものか?

主である曹操と国である漢王朝略して浣腸への二つの思いが彼をさいなんだ。

一方、対呉戦線合肥に向かっていた曹操は陣中にて荀ケの容態を聞いていた。

曹操:そうか、もう長くはないのか。
使者:はっ、日ごと竿がどうとか、浣腸がどうとか……。

414 名前: sileepknot ◆r4HwcKQwNE [sage] 投稿日: 2006/08/06(日) 16:31:38

曹操:……なんか軽く虚報臭いが、まぁいい。
   宮中では俺を魏公に推戴しようと言う動きがあるらしいからな。
   漢の臣下としての荀ケと、俺の部下としての荀ケ。
   その二つがあいつを苦しめているんだろう。
使者:……。
曹操:確かに俺が魏公に就くことで得られるものも多い。
   推戴派の気持ちもわかるが……
   俺 が 荀 ケ に し て や れ る こ と は な い の か 。


こうして曹操は手元にあった空の盃に「曹操的桃尻」を書き込み
「これでも掘って元気出せ」と言うメッセージを込め愛する部下に送ったそうな。

415 名前: sileepknot ◆r4HwcKQwNE [sage] 投稿日: 2006/08/06(日) 16:38:45

程なくして荀ケ邸には空の盃が届けられた。

使者:曹操さまからこれを……と。
荀ケ:ウ、ウホッ、殿からの賜りものですか? あいやいや、
   これはご心配を……。

荀ケの表情に一瞬だけ精気が蘇り、萎えたはずの竿がそそり立つ。
しかし悲劇とは、案外わからないものである。

荀ケ:これは……?

ガチガチのイチモツを抱え荀ケが盃をしげしげを見る。
程なくして「曹操的桃尻」と書かれていることに気づき、
「これでも掘って元気出せ」と言う意図を汲み、荀ケは思わず涙した。

荀ケ:ウ、ウホッホーイ! 殿ォーッ! 確かにお気持ちは受け取りましたぞーッ!

荀ケがまさに竿を盃に挿入せんとした時、彼はあることに気づいた。
 入 ら な い の で あ る 。 ガチガチに反り返った荀ケの竿を
小さな盃は受け入れることができなかった。

417 名前: sileepknot ◆r4HwcKQwNE [sage] 投稿日: 2006/08/06(日) 16:45:58

荀ケ:痛いーッ! 先端がーッ……こ、これは……まさか!

かねてから魏公就任問題で推戴派と衝突していた荀ケである。
更に問いただすべき主は遥か遠くの戦地。
「お前にやる尻はない」――荀ケの脳裏に不吉な文言が飛び込んだ。

寝よう。

すっと立ち上がり、蓋を開ける荀ケ。中には毒薬。
悲しい悲しい、建安17年のある日のことでした。