285 :無名武将@お腹せっぷく :2006/07/13(木) 23:20:05
黄祖とネイ衡

曹操の元より大使として劉表の下を訪れたネイ衡。
だがあまりのネイ衡の毒舌に辟易した劉表は、黄祖の下にネイ衡を送るのであった…

ネイ衡「あー、退屈退屈…ここには人間がおらんな!」
黄祖「まあそう言いなさんな…そうだ、今晩一緒に飲みましょうぞ。」
ネイ衡「まあ退屈しのぎにはなるな…いいだろ」

こうしてその晩月を見ながら飲む二人…
黄祖「時にお尋ねするが、それがしを批評するならなんと批評するかの?」
ネイ衡「辻堂の神様。」
即座に言い切るネイ衡。
黄祖「辻堂の神様???どういう意味だ…?」
ネイ衡「愚民どもからお供え物を貰っても何の御利益も無い、ただのお飾りって事だ。」
黄祖「ななな、何!?」
怒り心頭した黄祖はいきなりネイ衡に飛び掛った!
ネイ衡「な、何をする!?」
黄祖「わしが辻堂の置物かどうかその尻で判断しろ!くらえぃ!」
ネイ衡「ぎゃぁぁぁぁ!?入ってきたぁッ!?」
黄祖「フンッ!フンフンッ!辻堂の置物がこんな竿を持っているのか!?どうだ!?」
ネイ衡「痛いッー!痛いッー!!」
黄祖「フンッ!フンフンッ!木像がこんな腰使いができるのか!?」
ネイ衡「動かないでぇぇぇぇっ!」
黄祖「どうだ!これでもわしは置物か!?」
ネイ衡「さ、竿をさすらないでぇえッ!!!参った、黄祖、あんたは木像なんかじゃない、凄いよーーー!!」

こうしてかの毒舌ネイ衡がとうとう他人を褒めてしまったのである!
ネイ衡「このわしが他人を手放しで褒めるとは…」
自己嫌悪になりネイ衡はその日のうちに憤死したという。
あのネイ衡に褒めさせた!という黄祖の伝説は瞬く間に漢中を駆け巡り、黄祖の名は上がったのであった。
                   〜完〜